■日経平均株価、TOPIXともに週間ベースで下落し年初来安値圏

世界的なリセッション(景気後退)やソブリンリスク拡大に対する警戒感が根強く、米国、欧州、アジアの主要株式市場が軟調だったことに加えて、外国為替市場で円が高止まりしていることも弱材料視された。
ギリシャのデフォルト(債務不履行)懸念が収束せず、米国の主要経済指標には依然として強弱感が交錯している。注目された米FOMC(連邦公開市場委員会)(20日〜21日)の結果は市場の想定どおりとなり、材料出尽くし感や失望感が広がった。このため週後半には、米国、欧州、アジアの主要株式市場が急落し、世界同時株安の様相も呈した。
米国株式市場の動向をダウ工業株30種平均株価の騰落で見ると、16日は5営業日続伸した。米9月ミシガン大学消費者信頼感指数速報値が前月比上昇して市場予想も上回った。ユーロ圏財務相会合では、ギリシャが財政赤字削減目標を守ることを条件に10月の次回融資を承認したため、過度な警戒感が後退した。
日本市場が休場だった19日は6営業日ぶりに反落した。ギリシャのデフォルト懸念で欧州株式市場が大幅に下落したことを嫌気した。オバマ米大統領が発表した3兆ドルの財政赤字削減案は想定どおりとして反応薄だった。20日は小幅反発にとどまった。ギリシャ金融支援に関して10月上旬に実施予定の追加融資が遅れるとの観測が広がり、IMF(国際通貨基金)による世界経済成長率見通しの下方修正、格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)によるイタリア国債の格付け引き下げなども弱材料視された。米8月住宅着工件数は前月比減少したが、着工許可件数が前月比増加したため景気先行きに対する見方も強弱感が交錯した。
21日は大幅下落した。米FOMCで「ツイスト・オペ」の導入を決定したが、ほぼ想定どおりだったため材料出尽くし感で売りが膨らんだ。長期金利抑制による景気浮揚効果は限定的との見方も広がった。米8月中古住宅販売件数は市場予想を上回ったが、反応は限定的だった。
そして22日にはギリシャのデフォルト懸念、中国9月製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値の悪化などで、欧州株式市場が急落した。これを嫌気して米国株式市場も大幅続落し、世界同時株安の様相を呈した。23日は買い戻しが優勢だったが、前日まで大幅下落したわりには反発力の鈍い展開だった。
外国為替市場では、ドル・円相場が概ね1ドル=76円台、ユーロ・円相場が概ね1ユーロ=103円台〜104円台で推移した。一時的にドル・円相場で1ドル=76円10銭台、ユーロ・円相場で1ユーロ=102円20銭台まで、円が上昇する場面もあった。円の高止まり状況が続いており、日本株式市場の下押し要因となった。
テクニカル面で見ると、日経平均株価(22日時点)の移動平均線に対する乖離率は25日移動平均線に対してマイナス2.23%、75日移動平均線に対してマイナス8.52%、200日移動平均線に対してマイナス12.56%となった。一旦は回復した25日移動平均線を割り込んだことで、上値抵抗線として意識される可能性もあるだろう。なお東証1部市場の騰落レシオ(25日移動平均)は22日時点で94.2%に低下した。
日経平均株価の終値ベースで騰落状況を見ると、3連休明けの20日は前週末(16日)比142円92銭(1.61%)安で3営業日ぶりに大幅反落、21日は前日比19円92銭(0.23%)高で小幅に反発、22日は前日比180円90銭(2.07%)安で大幅反落した。日中の値幅は20日が67円49銭、21日が64円46銭、22日が97円56銭だった。
日経平均株価の週末22日の終値は8560円26銭で、前週末16日の終値8864円16銭に比べて303円90銭(3.42%)下落し、週間ベースでは2週ぶりに下落した。取引時間中ベースの週間高値は20日の8771円72銭、週間安値は22日の8545円46銭で、1週間の取引時間中の値幅は226円26銭だった。
TOPIXの週間騰落状況を見ると、週末22日の終値は744.54ポイントで、前週末16日の終値は768.13ポイントに比べて23.59ポイント(3.07%)下落した。週間ベースでは2週ぶりの下落となった。取引時間中ベースの週間高値は20日の760.74ポイント、週間安値は22日の740.85ポイントだった。なお週末22日時点の終値ベースでのNT倍率は11.50倍となり、前週末16日時点の11.54倍に対して0.04ポイント低下した。